長引く不況で、今冬のボーナスは記録的なマイナスとなる見込みだ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、1人あたりの平均支給額は38万8000円で前年比8.6%減。調査を開始した1991年以降で最大の減少率というが、基本給の1カ月分が出るかどうか、という会社も多く、“体感温度”的には昨年に比べてほぼ半減というのが実感ではないか。そんな「ボーナス半減地獄」の時代を生き抜くための極意を生活防衛のプロたちに聞く。 「すでにサラリーマンは基本給や残業代のカット、職能ランクの凍結などで限界に達している。ここ数年言われてきた節約法などで何とかなるレベルではありません」 こう断言するのは、サラリーマン世帯の家計の見直しについてアドバイスする「生活デザイン」(東京・五反田)代表取締役の藤川太氏。藤川氏自身、1993年に大学院修了後、大手自動車メーカーに入社したものの、厳しい経営環境の中で数年間にわたって基本給1カ月分程度のボーナス支給に甘んじた“元同志”だ。 「ボーナスの厳冬期は少なくとも来夏まで続く。その後、短期的に持ち直すことはあっても、長期的にはダウントレンドになることは明白。多少なりとも貯蓄がある今のうちに生活の基礎を大きく変えるべきです。具体的には『家計の固定費』を抜本的に変えることです」 固定費としては自家用車の維持費や教育費、保険や携帯電話代などがあるが、最も大きなウエートを占めるのは住宅ローンをはじめとする家賃。半減ボーナスでローンの支払いもままならない人は、貯蓄を切り崩して応急処置する一方、家計見直しに取り組むべきだと藤川氏は言う。 「これまでの異常な低金利を考えれば、今後の金利上昇は確実です。したがって、返済期間が長期の人は低金利固定ローンへの切り替えが鉄則。保証料や手数料がかかることを考えても、変動への切り替えは絶対に避けるべきです。しかし、すでに何度も借り換えている人や、借り換えても中長期的に家計が破綻するリスクが高いなら、思い切って自宅を手放すのも選択肢のひとつです。世の中にはマイホーム&マイカーという価値観を覆せない人が多い。それが空前のローン破綻につながっているのです」 不動産競売流通協会によると、今年8月時点の全国競売物件数は、前年同月比1.3倍の7344件。この大半が住宅ローン破綻によるマンション、戸建て住宅の競売物件だ。ボーナス半減地獄が来年も続くようなら、この数字はさらに伸びるだろう。 藤川氏は「今こそ、『よそはよそ、ウチはウチ』の考え方に立ち戻るときです。(半減ボーナスは)横並び意識を捨て、ボーナス払いを前提とせず、毎月の家計収支を確実に黒字化するための良い機会と前向きにとらえてください。そうでないと、子供の教育費という“聖域中の聖域”に手を付けざるを得なくなりますよ」と警告する。
via FXGirls
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