金＆原油の騰勢は実需と関係なし！？

時としてマーケットは面白い表現をしてくれます。

　週初のＮＹ株高の解釈は「ドル安で商品や株式などリスク資産への投資が増加するとの思惑が強まった」。

　確かに金は最高値。原油も騰勢。豪州の利上げの「出口戦略初めの一歩」はあまり影響なし。むしろリーマンショック後の利上げは景気回復感が高まったとして歓迎された印象となりました。

　そして英インディペンデント紙の「産油国のドル離れ密約」報道が強調されてのドル安円高。自国の通貨が売られる国の株価が上昇基調。自国の通貨が買われる国の株価は見送りモード。ただ、これだけ円高警戒論が蔓延し、実際に一時８８円台まで突っ込んだ円高でも、株価を売り叩く動きは見られなくなってきました。

　経済産業省が発表した主要１３０企業への調査では製造業などを中心に為替予約などを実施。円高が減益要因となるという企業は全体の３割程度でした。１ドル９０円が深刻な減益をもたらすというはわずか数社。主要輸出企業がこの状態ならば、円高はそんなに怯える必要はないのかもしれません。むしろ輸入品の価格下落を歓迎する声を聞きたいものです。

　金先物価格上昇のきっかけは９月初旬から世界最大の鉱山会社のパリックゴールドがヘッジ売りの買い戻しに入ったことと指摘されます。ということは買い戻しを端緒とした上昇そして最高値。

　メタルの専門家氏は「いずれもまったく実需とは関係ない相場になっています。実需は各地でスクラップの売りが加速されています」とのコメント。金も原油も投資マネーに翻弄される姿です。

　面白いのは国産鶏肉価格が上昇してきたとの報道。９月最終週の価格は前月比４％の値上がり。そして１月最終週以来８カ月ぶりのキロ６００円台。

　背景は「気温の低下とともに鍋物向け需要が上向き」。投機筋が少ないだけにわかりやすい相場展開です。というよりも、この鶏肉の価格の動向が本来の相場の基本。ここに「投機」というマネーが入り込むと、相場全体の動向が見えにくくなってくるようです。

　興味深いのは、パパ・クリントン（元大統領）の「リーマンは救済すべきだった」のコメント。中間選挙を睨んでの共和党バッシングの一部なのでしょう。ただ歴史的に金融界と親しい民主党の面目躍如に見えます。

　もっとも２０００年のＩＴバブルを惹起したのはクリントン政権。その修復にサブプライムを容認せざるを得なかったブッシュ政権。どっちもどっちです。

　目を馬場に転じれば日曜の府中は毎日王冠。目立つ見出しは「ウオツカに酔う季節」などウオツカ礼賛ばかり。「もしもウオツカの優勝ならば、連想的にはロシアのパワー復活感。資源・エネルギーセクターが元気になろうか」とは市場関係者。別の見方では米株軟調？あくまで連想ですが…。

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