週末のNY市場は、米雇用統計が予想より弱い結果だったことを受けて相場が混乱した。注目の9月非農業部門雇用者数は26.3万人減と市場予想17.5万人減より大きな減少となった。失業率は9.8%と予想通りだった。発表直後は円高・株安・債券高の典型的なリスク回避パターンの反応となり、ドル円やクロス円が急落した。しかし、弱い雇用統計が米低金利政策の長期化につながるとの見方が広がり、各主要通貨でドル売りへと急転した。さらに、米株が下げ渋りの動きをみせたことで円買いから円売りへと方向転換して、これがドル円やユーロドルが雇用統計発表時の水準以上に買われた。クロス円も軒並み本日の高値を更新した。その後は株式市場の値動きが小幅安水準で落ち着き、G7声明が発表されるのを待ちながらの揉み合いになった。米製造業新規受注も予想を下回ったが、すでにリスク回避の動きが一巡した後で、反応は限定されていた。
◆ドル円・クロス円 円高から円安へと転換
弱い米雇用統計を受けて、ドル円は89円台前半から88円台半ばへと下げた。しかし、米株式が下げ渋りダウ平均がプラス圏を回復する動きに買い戻され、89円台を回復するとショートカバーを誘発しながら90円手前まで買われた。発表後の上下動で本日の高値・安値を付ける激しい振幅だった。クロス円も同様に振幅、ユーロ円は一時129円近辺まで売られた後、131円台前半まで反発した。豪ドル円は76円台前半から77円台後半、カナダ円は81円台前半から一時83円台乗せまであった。今週は弱い米経済指標が続いただけに、円買いのポジションが蓄積されやすく、週末を控えてポジション調整が強まったとの見方もあった。
◆ユーロドル、下押しから急反発
ドル相場ではユーロドルの動きが激しかった。米雇用統計直後に1.45台半ばから1.45割れへと下げるリスク回避のドル買い、クロス円売りの反応を示した。しかし、ドル円の急落にともなってドル売り圧力にさらされて発表時の水準に戻すと、ショートカバーが強まり1.46台半ばまで急伸した。今週のドル買いの流れが巻き返された形。また、米株の下げ渋りがクロス円の上昇を誘ったほか、米低金利政策が長期化するとの見方もドル売りを後押しした。その後は米株の値動きが落ち着き、1.46近辺から1.45台後半での取引が続いた。
◆2016年五輪開催地、ブラジル・リオデジャネイロに決定
日本の鳩山首相とアメリカのオバマ大統領のプレゼン合戦で話題を呼んだ2016年の五輪開催地の投票は、日米ともに一回目の投票で落選。結局、ブラジル・リオデジャネイロが南米で初の開催地となった。ブラジルの市場はこれを歓迎、ブラジルレアルは対ドルで0.6%高の1.7762レアルで取引を終了。また、各国株価指数がマイナスとなる中で、ボベスパ株価指数は1.18%高の61171.99で引けた。
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